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花物語 (吉屋信子) : ウィキペディア日本語版
花物語 (吉屋信子)[はなものがたり]

花物語』(はなものがたり)は、吉屋信子少女小説である。少女の繊細な心模様を数々の花に托した54の短編からなる連作集であり、日本の少女小説の代表的作品である。吉屋が小説家として手がけた初めての作品であり、後に重版された単行本の序文で「小説家として世に立つことになった、大きな原因」〔『女人 吉屋信子』 12頁。〕となる作品であると述べている。
== 作品解説 ==
吉屋が20代の頃に執筆した短編連作集で、1編ごとに花にちなんだ表題を掲げ、独特の美文調で綴られている。1916年大正5年)から1924年(大正13年)まで、雑誌『少女画報』に断続的に連載され、1925年(大正14年)7月から1926年(大正15年)3月にかけて『少女倶楽部』に3編が連載された。挿画は連載された雑誌ごとに異なり、『少女画報』の連載では亀高文子清水良雄蕗谷虹児らが描き、『少女倶楽部』の連載では中原淳一が描いた。また、1937年昭和12年)から2年間、『少女の友』増刊号に再録された際にも中原が挿画を担当した。
当初はミッションスクール寄宿舎にいる7人の女学生が、1話ごとに花にまつわる悲話を互いに告白する設定であった。ところが、連載を継続するにつれて1話の完結に数ヶ月かかるようになり、情感と共に物語性を重視した話が増えた〔『日本児童文学大事典 第2巻』 299頁。〕。
連載中である1920年(大正9年)に洛陽堂から単行本として出版され、その後も交蘭社実業之日本社ポプラ社朝日新聞社国書刊行会河出書房新社など、数多くの出版社から単行本が出版された。しかし、洛陽堂を始めとする多くの出版社から単行本が出版された際には、『少女倶楽部』に掲載された最後の2作である「薊の花」「からたちの花」が含まれていないため、この2編を除いた52編を全容と解釈されることが多い〔。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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